長崎大学教育学部

教育臨床センター

活動内容【令和6年度活動報告】

1.教育相談部門(通称 教育相談室)

活動の概要

 月2回の教育相談を行い、教育委員会等から依頼を受けたものの中で、他の相談機関への接続が難しいもの、緊急性はないが長期の専門的ケアが必要なものなどについて、ご本人およびご家族の要望を尊重しながら面談、メール等による相談を行っている。しかし、本年度は諸事情により5月から9月までの間、相談の実施を停止し、面談は10月末より開始したため、相談件数は減少した。面談ができない場合は、メールでの相談を実施したため、今年度はメールが増えている。相談内容は不登校や登校への不安が最も多かったが、精神面の不調を主訴とし、登校しづらいケースも多かった。

令和6年度の相談実績
令和6年度の教育相談室の実績
  方 法
Web メール・電話 面 談 合 計
相 談 応 対 者
教職員 8 10 4 22
保護者 0 0 5 5
本人 0 19 13 32
合計 8 29 22 59
 相談対応は、以下の通りである。最も多いのは保護者からの相談であった。また、不登校や不登校傾向に関する相談が最も多く、全体の約半数を占めている。
教育相談室における相談内容別の割合

2.支援ラボ部門(通称 支援ラボ)

活動の概要

(1)個別支援

 原則として附属学校園の幼児・児童・生徒(以下子ども)を対象に、原則週1回45~60分で実施される。発達障害や軽度知的障害およびその可能性のある子ども及び知的障害や自閉症スペクトラム障害のある子どもを対象に、個々の発達上の課題に応じた個別支援を大学で継続的に行う。保護者の希望、附属学校教員からの紹介から保護者との面談を経て、年度当初に保護者及び本人とセンターとの契約で年度ごとに登録される。
 今年度の個別支援の登録は、附属小学校12名、附属中学校1名、附属特別支援学校4名の合計17名であった。今年度から、学校との連携(コンサルテーション)を中心とした個別支援のプログラムを導入した。令和6年度の登録者は17名のうち1名(附属小学校)である。また17名のうち、附属特別支援学校教員のセンター員のインテーク面接を経て今年度から開始された新規ケースは7名(附属小学校6名、附属特別支援学校1名)である。
個別支援(定期・不定期の相談・支援)の実施状況(令和6年5月~12月まで)
登録者数
(名)
保護者相談
(回数)
個別支援
(回数)
検査等
(回数)

(のべ)
附属幼稚園 0 0 0 0 0
附属小学校 12 33 128 2 163
附属中学校 1 21 4 0 25
附属特別支援学校 4 36 36 0 72
合計 17 90 168 2 260
*登録者数:原則週1回の個別支援を念頭に保護者と契約した数
*附属幼稚園および附属中学校については、保護者面談および不定期での単発相談のみとし個別支援は原則実施していない。
*保護者相談については、面談(対面)、メール相談、電話相談を含む。
(2)長崎県教育センターとの連携

 支援ラボの個別支援については、長崎県教育センターと教育学部の連携事業として、教育支援研修課(特別支援教育研修班)の研修員(現職教員)4名が、各1事例ずつ担当した。教育センターからは、指導職や所長が来訪し、支援の様子を見学、指導を行った。

(3)学部教育・大学院教育との連携

 支援ラボの個別支援には、教育学部特別支援教育コース3・4年生が「特別支援教育演習Ⅰ」「特別支援教育演習Ⅱ」の実践として参画し、各自が1事例以上を担当し、教材開発や個別支援の運営の中心的な役割、または補助を行った。

また、大学院教育においては、教育学研究科教育実践専攻子ども理解・特別支援教育実践コースの大学院生が、個別支援において事例を担当するとともに、大学院の演習やゼミ活動等において事例連動型授業を行うことで、より理論と実践の往還を実現できるよう、連携を深めた。

(4)附属特別支援学校教育支援部との連携

 支援ラボ部門では、附属特別支援学校教育支援部の教員2名がその専門性を活かして、教育臨床センターの活動を兼ねて以下の業務を担当した。

業務の内容としては以下のとおりである。
コンサルテーション
・幼児・児童・生徒の観察
・教師への助言
・保護者面談(特に支援ラボ利用の相談やインテーク)
特別支援教育推進に関わる事項
・校園内の特別支援教育推進に関わる相談
・個別の教育支援計画、個別の教育指導計画の作成支援

 昨年度作成した長崎大学附属学校バージョンの「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」の様式を作成し、作成支援を担当した。また、実際の作成が始まっている。

附属特別支援学校教育支援部教員による附属校園における地域支援
内 容 対 象 回 数(回)
幼児児童生徒の観察・教師への助言 附属幼稚園 2
校内委員会への出席・助言 附属幼稚園 2
保護者面談(インテーク面接) 附属小学校 3

3.附属4校園特別支援教育コーディネーター連絡協議会との連携

 附属特別支援学校地域支援部教育支援部の主導で、附属4校園特別支援教育コーディネーター連絡協議会を開き、各附属校園の情報交換を行っているが、そこに教育臨床センターから教員が1名参加し、支援ラボの様子を報告した。今年度は、通年で3回程度の開催を計画している。

4.外部資金(競争的資金)獲得の努力

本事業の報告書は本サイトの「ニュース&トピックス」に掲載している。

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