附中PTCCについて (H13の実践)
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本校では,深刻な社会問題となっている「いじめ」の防止や,その解決に向けての取組を続けています。PTCCも,その一例で,保護者,生徒,教師,カウンセラーが協力し合って,一人一人にとって,真に楽しい学校をつくることを目指しています。
ここでは ,3月5日に第2学年で実施した学級PTCCの概要を紹介します。○1組 「いじめ」を構成するさまざまな立場にたって考えさせた上で,それぞれの立場を正当化するためのディスカッションを行いながら,いじめの本質について考えた。 具体的には,担任の中学3年生時の転校に伴う体験談を基にして,生徒たちを『いじめた立場』『いじめを見ていただけの立場』に立たせ,なぜそのような行動をとったのかを考えさせた。 『いじめた立場』に立った生徒の意見としては,「田舎ものだからみんなでバカにしたかった」「転校してきて最初のテストで高得点をとるなんて生意気」「それまでの仲間に新たな第三者が入ってくることは許せない」などさまざまな意見が出たが,最終的に「自分たちとは違うから」という意見が圧倒的に多かった。また,『いじめを見たいただけの立場』に立った生徒の意見には,「止める勇気がなかった」「自分にも被害が及びそうだったから」という意見に始まり,「止めたって利益のないことだから」「いじめの 光景そのものがおもしろいものだったから」などの意見まで見られた。 この段階で,株式会社学習研究社が数年前に全国の1万人以上の中学生を対象に行ったアンケート結果(「いじめる側」「見ている側」の気持ち)を生徒に配付し,まさしくディスカッションで出た意見と同様の回答が「いじめ」という現象を生み出していることを認識させた。 授業に参加していただいた保護者には,いじめを受けている子どもの親になったつもりで意見を求めた。「うちの息子がそんなに悪いのでしようか。あなたたちには欠点というものはないのでしようか」といった意見や「違いのあることのすばらしさ,違いを認めることのすばらしさを感じてほしい。うちの息子とみなさんとの違いも認めて下さい。」などの意見が挙がり,教室の中が静まりかえるひとときもあった。意図的にそれぞれの立場に立たせた上でのディスカッションとは言え,誰しもの心の中にいじめを作り出す弱さがあること,そしてその弱さに打ち勝っていくことの大切さを確認できたと考える。 最後に,和歌山市で起きた毒物混入カレー事件で命を亡くした林大貴君の母親が書いた短編童話を読み,親の子を思う気持ちを感じとらせることで授業を閉じた。 ○2組 昨年12月に行われた学年人権集会において,いじめ問題についてグループで取り組 み,「個々を尊重し,互いに認め合おう。」という提言を発表した。その時の活動を振り返ることで,いじめ問題に積極的に取り組むことができるように意識を高めた。本時は,参考資料として「友達が怖かった」(インターネット資料)を用いた。資料を読んだ後,「あなただったらどうします」という質問に「自分も学校に行かない」「どうしようもできない」と本音で答える生徒が多く見られた。そして,「母親や兄弟に相談する」という意見を取り上げ,文の中に出てくるいじめられた「ある子」またはT.S.さんになったつもりで,いじめられた人の立場に立って相談の手紙を書くことにした。次にその相談の手紙を交換し,友達へ あてた手紙については生徒が,両親へあてた手紙については保護者に相手を勇気づける返事を書くこととした。相談の手紙を書いたり,返事を出したりすることで,いじめられる側の立場に立って考えること や周囲の助けが必要であることの理解をねらいとした。今回は,手紙の内容を互いに発表するまでには至らなかったが,今後継続して取り組んでいきたいと考えている。 ○3組 事前に「いじめはなくなるか」と問うアンケートを実施したところ,37名中30名の生徒が,なくならいのではないかという意識を持っていた。そこで,同テーマで討議を行うこととした。討議は生徒4〜5名に2〜3名の保護者を加えて行った。考える際の参考資料として,「今だから言える」(昭和六十年度全国少年の主張コンクール作品より一部抜粋したもの)を用いた。本資料は,友人がいじめにあっている現状に憤りを感じた作者(女子中学生)が,いじめのリーダー格に「どうしていじめるのか?」と聞いたことを発端として,作者がいじめの標的になった,という読み物資料である。作品中には,「何の理由もなくいじめる」や「集団になると妙に強がる」など,現代の中学生の心理を表す記述もあり,討議のきっかけになると考えた。 グルーープ討議では,友達同士でも影では悪口を言っている様子や,いじめの対象となる人が気に留めなかったり気づかなかったりするといつの間にかなくなっていたという体験等,活発な意見交換を行っていた。次に,いじめはなくさなければならないという意識を確かめ,「いじめをなくすためにはどうするべきか」にテーマを移し,グループ討義を続けた。本音を交えた話し合いが続き,予定を変更して,グループでの話し合いの時間を増やして,多くの考えを交換することにした。 保護者からは,中学生の考えに触れた驚きや,「いじめ」をテーマとして話し合うことの大切さ,さらには,家庭教育にかかわっての感想等が出された。 ○4組 ビデオ「勇気ある選択」から,第三者から いじめの問題を考える機会を設定した。いじめを受けている生徒といじめを行っている生徒たちとの間の出来事という短絡的な捉え方から脱却し,誰もが持つ いじめは嫌だという気持ちを,自分そ自分たちの意志として行動に移していくことの大切さを学習のねらいとした。 第 1幕で,主人公A は,いじめられている級友Bの存在を知り,どうすればよいかと仲のよい友だち Cに相談するが,かかわると今度はAがいじめの対象になるから無視した方がいいという答えが返ってきて,Aは悩みこむ。そのようなAに対して,学級の生徒や保護者にアドバイスを行う場面を設定した。生 徒:Bと一緒にAもいじめられるから,できれば かかわらない方がいい。 生 徒:実際,いじめている奴は弱い。だから Bの心の支えになってやろう。 生 徒:堂々と止めて ほしいけど,勇気がないので,Bの相談にのってやろう。 保護者:事実を知っているんだから,みんなの前で言うべき。勇気を出して! 保護者:実際には,言えないので,仲のよい友人と一緒に解決していきたい。 生徒には,「実際は」「できれば」という語句を用いてアドバイスを行うようにして,理想と現実の問で葛藤させ,保護者の考えを交えながら,班で一つの意見にまとめる中で高い次元のアドバイスができるように取り組ませた。 班で議論を班で行った後,ビデオのタイトルを考えさせた。生徒からは「勇気」という言葉が出てきたが,今後の自分たちはどうあるべきかということを考えさせた。 第2幕では,殴られながらも止めに入る Aと,多くの級友からそれを見られて,捨て台詞を残して去るいじめっ子の心理を考察させた。第2幕を見せる時に,ビデオが映らなかったので,保護者には十分に深められなかったという反省があるが,終わりの会で視聴させたところ,正しい考えが多数を占めるようになれば,いじめを根絶できるのではないかという生徒の感想を導き出すことができたといえる。 ○5組 いじめの一場面を例として,いじめられる側の行動を6つ例示した。その内,自分だったらどのような行動をとるかについて,可飴性の高い順に挙げさせた。その際,保護者の立場として,自分の子にしてほしくない行動を順に挙げていただき,生徒の行動と親の願いを対比させて考えさせるようにした。 次に,いじめられた側の対応の一つ一つに対して,いじめる側の変化について考えさせ,意見交換を行った。その中から,拒否しても,服従しても,いじめる側がさらにいじめを強化させる場合があり,いじめから逃れるためには,周囲の力が必要なこと,周囲が傍観者となることの危険性について言及していった。 授業では,生徒一人一人がどのような行動をとるべきかについて,深く考えさせることができなかったため,その日の帰りの学級会での話題として,補足した。 |
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