社会科における数理教育

[科研費特定領域・新世紀型理数系教育]


[長崎大学教育学部 福田正弘(社会科教育学)]


このサイトについて
 このサイトでは、社会科で数理教育、あるいは数理的手法を取り入れた社会認識の形成を目指す社会科授業の開発・実践を行う科研研究の成果を速報しています。

この研究の目的
 社会科では、社会的事象を取り上げ、その背後にある法則や理念を児童・生徒に追究させ、社会のあり方について考えさせようとする。例えば、高齢化の問題で、年金制度を取り上げ、将来それが危機に陥ることを、年齢別人口推計から読み取らせる。年金受給者である高齢者の割合が高くなるので、当然そのことは予想できる。そして、この予想に基づいて、高齢社会のあり方を考えさせるのである。
 しかし、こうした曖昧で大雑把な予想に基づいて、社会のあり方について考えさせるのは危険ではないだろうか。年金の会計には、受給者の人口比が大きな比重を占めるものの、その他の要因にも影響を受けているからだ。社会のあり方について考えさせることに急で、その元になっているデータや予想についての検討がない。こうした検討なしに社会のあり方を考えさせることに、危険性を感じるのである。
 我々は、社会科はこの危険性を回避すべきだと考える。そのために、児童・生徒に、データの批判能力と同時に、自らモデル式を作って社会的事象を説明したり、結果を予測したりする数理的能力を養うべきだと考える(福田,1990)。本研究で開発しようとする授業や教材は、決して算数や数学の問題に社会的な題材を取り入れたというものではなく、社会科乃至は社会系教科の学習の文脈に、数理的思考を取り入れ、真の意味で批判的合理的な社会認識、つまり数理的社会認識の育成を目指すものである。

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